「おしどり夫婦」のおしどりってどんな鳥?本当に夫婦仲いいの?

■夫婦仲が良いことをなんで「おしどり夫婦」って言うの?

夫婦仲が良いことを「おしどり夫婦」と言いますが、そもそも「おしどり」ってどんな鳥? なんで夫婦仲が良いことを「おしどり夫婦」と呼ぶようになったの? こんな素朴な疑問を抱いたので、調べてみることにしました。

 

■おしどりってどんな鳥?

まずは、おしどりについて。おしどりはカモ目カモ化の水鳥で、日本全国の渓流、湖沼などに生息しています。オスは派手な色をしていて、特に秋以降はカラフルです。

おしどり夫婦

写真の中央がおしどりのオスで左側にいる茶色の鳥がメスです。オスに比べて色合いがかなり地味ですね。

 

■おしどり夫婦の由来は?

おしどり夫婦の由来は諸説ありますが、一説に「おしどりの契り」という中国の故事から生まれたと言われています。

『昔、夫婦仲の良いカップルがいて、その妻は絶世の美女でした。その美女に目をつけた王様が、妻を取り上げ夫を辺境の地に追いやりました。その結果、夫は自殺してしまい、それを知った妻も自殺してしまうのです。

妻は遺書でせめてお墓だけは夫と一緒にしてほしいとお願いしますが、王様はわざと別々の場所にお墓を作ってしまいます。

すると数日のうちにそれぞれのお墓から梓の木が生えてきて、ついには繋がって、一本の大きな樹木となったのです。

その後、樹の上に一対のおしどりの夫婦が巣を作り、毎日悲しげに鳴き続けました』というお話です。

 
仲睦まじい夫婦がおしどりに生まれ変わったとされ、そこからいつまでも夫婦仲がよいことをおしどり夫婦と呼ぶようになったそうです。

 

■知りたくなかった!? 本当のおしどりの夫婦仲

本当のおしどりの夫婦も、片時も離れずにいつも一緒に泳いでいます。一見夫婦仲が良さそうに見えますが、これは実際はオスが他のオスにメスを取られないように監視するためといわれています。

それだけメスがオスに愛されているのね~と思ってしまいますが、実は夫婦仲が良い期間は非常に短く、メスに卵が産まれると、オスは育てもせずに去っていき、他のパートナーを探しに行ってしまいます。

ほとんどの鳥類が一生パートナーをかえない中で、おしどりは毎年パートナーをかえる浮気症な習性を持つ鳥だったのです。

 

なんだか「おしどり夫婦」のイメージがガラガラと崩壊してきました……(泣)

しかし、おしどり夫婦の産卵前の夫婦仲の良さは本物。そこだけを見習って、後の行動は反面教師とするしかないですね。

おしどりはあくまでもおしどり。人間は「いつまでも末永く」夫婦仲良くいきたいものです。